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2009年10月から、2010年3月末までの半年間、ラジオ関西で『ジャズライブinソネ』という番組をやらせていただいた。ナイターのない期間に放送するいわゆるナイターオフ番組だったので、4月からナイター中継が始まって、ひとまず終了したわけだ。4月以降も野球のない木曜日、イレギュラーで、水曜日を担当しておられた三浦紘朗さんが放送を続けていかれる。今期のナイター中継が終了する10月には僕もぜひ、またソネに帰って来たいものだ。

半年間、毎週、ジャズの生演奏を聴き、ミュージシャンの方とお話させていただくという貴重な体験をさせていただいた。

ジャンルは違えど、僕もミュージシャンの顔も持っているので、ライヴの前後、ミュージシャンの人がどんな話をしたいのかはよくわかっているつもり。そう思って、音楽の話よりも、酒や肴、料理などの話を中心にしてきた。

番組コンセプトの「音楽好きのおじさんが会社の美人OLを誘ってライヴハウスに来て、お酒を飲みながら喋っているような」というのも全うできたと思う。始めは大きな声で喋るのは如何なものかと、ぼそぼそ喋りをしていたが、演奏の休憩中は、ライヴハウスでもいつも大きな声で喋ってるよなと思い、そう切り替えた。

音楽マニアはつい音楽について「語り」たくなってしまうものだ。最近も女性に対して「せっかく好きな女の子が家に遊びに来てくれたのにレッド・ツェッぺリンの話ばかりしている馬鹿なROCK好きの高校生」のようなことをしてしまい、反省することしきりだったのだが、番組ではそういうことにならないよう心がけてきた。

音楽がそこにしっかりあれば、ほかには何もいらないと思う。いるとしたら、おいしいお酒くらいかな。敬愛するシンガー・早川義夫さんが「批評家は何を生み出しているのでしょうか」ということを書いておられる。「批評したがる人はものを作らない。ものを作っている人は、人を批評しない。人を批評する暇があったら、自分を批評する。なぜなら自分を見つめた時に、作品は生まれる」「評論という形式で自分を表現するのが評論家なのではないだろうか」(「たましいの場所」晶文社刊より)

音楽雑誌その他に音楽について書く仕事もしている僕は、いつもこのことを肝に銘じながら文章を書いている。だから僕は「音楽評論家の」と紹介されると「音楽ライターです」と訂正させていただくことにしている。

リマスター、リミックス流行りだが、そうやって新たな命を吹き込まれた音盤が、いつ、どういう背景でリリースされたのか、リマスターやリミックスで音がどう変わったのかというデータ的なことはそれを聴く人のガイドにはなっても、肝心なのは音楽そのものだ。マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』が、複雑化したコード進行とそれによる制約から逃れ、ジャズの新しい可能性を追求しようとする画期的な手法を生み出したものというようなことは、音楽を勉強しようとする人にとっては重要なことかもしれないが、ただ素晴らしい音楽に触れたいと思っている人はそこにあるマイルスの音楽に耳を傾けるだけでいい。

三浦さん担当の水曜日の放送を家で聴きながら、まるでソネにいるような臨場感溢れる音にいつも感動していた。音楽はFMと思われがちだが、ずっと僕たちはAMラジオでジャズやポップス、ロックに歌謡曲と、素晴らしい音楽を聴いてきたのだ。AMラジオで伝わる音楽の魅力。番組を聴いてくださっていたみなさんにはそのことがしっかりダイレクトに伝わっていたと思う。本当に素晴らしいジャズの演奏はリスナーの方が耳で聴いていただければ必ず伝わる。あとは、リスナーの方が、さらにライヴハウスに来ているように感じていただけるお手伝いをするだけでいい。ずっとそう思って番組をやっていた。

最近、真空管アンプのオーディオで音楽を聴く会をされている方の話が新聞に出ていた。「真空管アンプというと新聞はすぐ懐かしい音…と書くが、そうじゃない。一番生音に近い音なんだ」
僕も真空管アンプで聴いた音楽が、楽器の生音に近いのに感嘆したことがある。真空管アンプではないが、僕は今も日常的にレコードを買い、聴いている。利便性ではCDの方が優るが、音の良さではレコードには及ばない。CDが登場してきた20年前、自分の耳で聴かない御用ライターたちが「CDの音を聞いたらレコードの音なんか聴けなくなる」と書きたてた。物を書き、ラジオで喋る者として、あのようなことは絶対したくないと思う。秋にはまた、あの至福の時間が戻ってきますように。

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 関西で活躍するジャズミュージシャンらが3日間にわたって演奏を披露する「西宮ジャズ3days」が9日、西宮市池田町、フレンテホールで開かれた。「酒と桜の日々」と題された1日目は、ステージに桜が飾られ、開演前に日本酒などが振る舞われた。訪れた観客約200人は、ジャズ界の大御所らが奏でる名曲に酔いしれた。

 同市などの主催で、2005年から開催され、6回目。この日は、ベーシストの宮本直介さんやビブラホン奏者の鍋島直昶さんらベテランのプレーヤーが「ユー・アー・マイ・サンシャイン」などのスタンダードナンバーを披露した。
2010/04/10神戸新聞

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 西宮市在住のジャズピアニスト、金谷こうすけさん(51)が春の夙川を歌った曲「勇気を出して―夙川からの出発(たびだち)」を作り、4月4日、阪神香櫨園駅前であった音楽イベント「夙川音楽街道」で初披露した。「自分を育ててくれた夙川への応援歌」と金谷さん。今後はコンテストを開催して歌い手を募りたいといい「いつか地域の人が口ずさんでくれるようになれば」と話す。

 金谷さんは西宮市生まれ。3歳からピアノを始め、高校2年のときにジャズに出会った。活動拠点の一つだったのが、阪急夙川駅前にあったライブハウス「バートンホール」。幅広いジャンルのミュージシャンが集う音楽文化の発信拠点だったが、阪神・淡路大震災後に閉鎖してしまった。

 「消えかけている音楽の灯を守りたい」。4年前から地域に呼び掛け、市内のミュージシャンや学生らによる夙川音楽街道を企画。「夙川への恩返しを」と、曲作りを思い付いた。

 震災で自宅が半壊したときも、音楽活動で悩んだときも、夙川の風景に癒やされた。緩やかで優しい曲調で「これからの人生 桜の花の如く(中略)必ず花開く」「前を向いて 上を向いて 空に向かって花を咲かそう」と歌う。

 「自分が元気づけられたように、誰かを勇気づけられたら」と金谷さん。CDは1枚千円。収益は来年度の夙川音楽街道の運営費に充てるという。事務局TEL0798・33・9170

(広畑千春)
2010/04/05 神戸新聞

ニューオーリンズでの演奏に向けて、練習するメンバー=大阪市北区

ニューオーリンズでの演奏に向けて、練習するメンバー=大阪市北区

 「ジャズ発祥の地」として知られ、ハリケーンによる被害を受けた米・ニューオーリンズを、神戸ゆかりの若手ジャズ音楽家が訪ね演奏することになり7日、出発する。文化を通じての阪神・淡路大震災からの復興に取り組む「神戸とニューオリンズのジャズ交流実行委員会」(池田寔(これ)彦(ひこ)委員長)が、被災地同士の交流事業として企画。ジャズへの情熱とともに復興への願いを、音に乗せて伝える。

 ニューオーリンズは2005年のハリケーン「カトリーナ」で、1400人以上が犠牲になるなど大きな被害を受けた。
 このため神戸市内のまちづくり協議会や学識経験者らでつくる同委員会が委員会発足の08年と09年、ニューオーリンズの若手ジャズマンを神戸に招待。今回は「日本のジャズ発祥地」神戸から派遣することにした。
 メンバーは、次世代を担う才能の発掘を目指すコンテスト「神戸ネクストジャズコンペティション」の入賞者を中心に選んだ。関西のライブハウスなどで活躍するピアニスト、大友孝彰さん(23)=07年グランプリ▽サクソホン奏者、高橋知道さん(28)=08年同▽同、福代亮樹さん(23)=09年同▽ベース奏者宮上啓仁さん(28)=07年準グランプリ=ら6人。
 春の音楽祭「フレンチクオーターフェスティバル」や名門ジャズクラブでオリジナル曲などを披露するほか、10代の若者が通う専門学校で学生と一緒に演奏する。13日に帰国予定。
 川西市出身の大友さんは「現地の復興状況は分からないが、街の活性化につながるようなパワーを音楽で伝えたい」と話している。
(藤嶋 亨)
2010/04/07 神戸新聞