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 神戸・阪神間の名所の魅力を見つめ直す音楽イベント「HANSHIN SOUND COLLECTION」が11月27日、神戸市中央区中山手通3、旧北野小学校跡の観光施設「北野工房のまち」で開かれた。懐かしい雰囲気が漂う講堂跡に約180人が集まり、軽快なバンドの演奏を堪能した。

 阪神電鉄の主催で、9、10月には西宮市の「西宮砲台」前などで開催。この日は、赤穂市出身のボサノバ歌手高尾典江さんら5人が出演した。

 高尾さんたちは、ギターやピアノ、バイオリンなどで、サンバ風の軽快なリズムの音楽や、ゆったりとしたメロディーのボサノバを披露した。観客たちは演奏に合わせ、体を揺らしたり手拍子したりして楽しんでいた。
2010/11/28 神戸新聞

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  おてもやん 
  あんたこのごろ
  嫁入りしたではないかいな

で、はじまる、あの熊本民謡の「おてもやん」です。

江利チエミさんがラテンアレンジで演奏されている作品に衝撃を受けて
私も演奏させて頂くようになり、もう10年以上になります。

日本の曲を新しいアレンジで・・・それもまたジャズの楽しみですね!

この9月、アロージャズオーケストラの新しいCDが発売になり、「知床旅情」や「結婚しようよ」「心の旅」「柔」など・・・懐かしの名曲を原曲の魅力はそのままに、新しいビッグバンドアレンジで聴かせてくれます。

私がはじめてジャズに触れたのが日本語詞の作品たちだったからでしょうか、
そんな楽しいコラボレーションにはすんなりと心がワクワク踊ります。

「りんご追分」はジャズアレンジされ国内外で親しまれている最たるものではないかしら?

ギタリスト山口武さんのアルバムの中でも、ロン・カーターとの共演で演奏されています。

ピアニスト生田幸子さんの「証城寺の狸囃子」・・・素晴らしいです!

日本の能に影響されてオペラを作った作曲家がいるとも聞きました。ゴッホは浮世絵の影響を受けたそうですね。

「みんなちがって みんないい」と言ったのは金子みすずさんだったかしら?

新しい感性に触れた時、それを「異文化」と言うよりは「心の琴線に触れた幸せな出会い」と捉える思いは、とってもステキで平和の鐘が鳴っているように思えてきます。

皆様にもっともっと身近にジャズを感じて頂きたい。

そんな気持ちも込めて・・・私もさらに広くアンテナを張っていたいな♪

正木麻衣子

プロフィール

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撮影:甚田高穂

 鉄道ファンには、3つの種類があると聞いたことがある。興味を持つ分野によって、呼び名があるというのだ。鉄道に乗るのを喜びとするのを「乗り鉄」、カメラにおさめることが目的とするのは「撮り鉄」、発車のメロディなど音を録音するのを「録り鉄」というのだそうだ。他にも廃止となる列車ばかりを追いかけるのは「葬式鉄」というらしい。
 この話を聞いたとき、ジャズファンにも一部似通ったところがあるなと感じた。
 ジャズなら何でもとにかく聞きたい人は「聞きジャズ」、カメラにおさめるのは「撮りジャズ」、録音したくなるのは「録りジャズ」。では自分は何にあてはまるのかと考えてみると、私の場合は「見ジャズ」だといえる。以前、このコーナーに書いたように、私はジャズを見るのが好きで好きでたまらないからだ。
 ジャズを知ったばかりの頃は、ライブに行き、ジャズマンの体の動きや、楽器が震えるように音を絞り出すのを見るのが好きだった。そのうち、ジャズライブのDVDもいいなと思うようになり、最近はジャズを描いた映画を観るのが無上の喜びとなっている。
 ジャズ、もしくはジャズマンを描いた映画にはたくさんの秀作がある。コルネット奏者であるレッド・ニコルズの半生を描いた「5つの銅貨」、マイルス・デイビスの即興演奏が胸に響く「死刑台のエレベーター」、チャーリー・パーカーの生涯を描いた「バード」等々。
 もちろん、邦画にも「上海バンスキング」や「この世の外へ クラブ進駐軍」など、様々なジャズ映画がある。そして、この秋、新しいジャズ映画「ふたたび」が封切られた。ジャズを見るのが好きな私としてははずせない。おまけに、神戸が舞台になっていて、ロケの大半は神戸で行われたというのだから、映画を観る前からスイングしてしまいそうだ。

 この映画にはSWING ME AGAINという副題がついている。その名が示すように、事情があって、五十年もの間、軟禁状態を強いられた主人公が、もう一度、自らをスイングしようとする話である。
 主人公は貴島健三郎。かつては将来を期待されたトランペッターだった。仲間とCOOL JAZZ QUINTETTEというバンドを組み、憧れのクラブ「SONE」で演奏することを夢見て、練習を繰り返していた。そして、とうとうデビューが決まったある日、彼は神戸から姿を消してしまう。当時は不治の病とされたハンセン病を発症し、島に隔離されることになったからだ。
 けれども、健三郎はトランペットを捨てなかった。捨てたくても捨てられなかったのだ。ジャズは彼の命だったのだから。だからこそ、五十年間、毎日、休むことなく、たった一人でトランペットを吹き続け、そして、七十八歳になった今、突然、島を出て、神戸の息子の家にやってくる。友達との約束を果たすために・・。

 これから先は、映画を観ていただきたいので書かないが、この作品のラストシーンが「見ジャズ」にとって、こたえられない出来になっていることはお伝えしたい。
 ハンセン病という重いテーマを扱いながら、どこか突き抜けた明るさがあるのも、ジャズというテーマがスイングしているからだろう。そして、単なる老人達の思い出づくりにならないのも、彼らが奏でた音が、過去を振りかえるものではなく、今、この瞬間を切り取って揺らすものだったからだ。

 SWING ME AGAIN。
 映画館からの帰り道、あなたは思わず呟きながら、神戸でジャズを聞いて見てスイングできる我が身の幸福をかみしめるのではないだろうか。

映画『ふたたび』公式サイト

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ヴォーカリストの正木麻衣子さんがCDを作りました。
このサイトの{Girl’s Talk」にも登場してもらっています。

CDは、題して「そよろ」。そっと触れ合って響く音をあらわした言葉だそうです。

正木麻衣子さんはジャズがベースですが、スタンダードはもちろん、R&B、ロック、ミュージカルそして日本の唄と広いジャンルの音楽と取り組んで、挑戦し続けています。

特にアロージャズオーケストラのリーダー 宗清洋さんと一緒に「JJ TWINS」と称するユニットでジャズと歌謡曲との融合というか化学反応というか、一つの曲にとして演ってくれていますが、その中から「星は何でも知っている~Work Song」や「港が見える丘~Girl Talk」も収録されています。

そしてジャズの心を持つ日本の唄も紹介してくれています。「おてもやん」や「アカシアの雨がやむ時」ですが、もちろん「Honeysuckle Rose」や「That Lucky Old Sun」といったスタンダードも入っていて、今の正木麻衣子CDに収まる、といった感じとなっています。

そのCDがリリースされる記念のライブが、神戸の生田神社横にある「チキンジョージ」で行われます。

11月28日(日)の17:00開場、18:00開演です。

バックのメンバーは、CDと同じメンバーで、宗清洋(Tb)、河田健(As)、宮哲之(Ts)、田中洋一(Tp)、
石川武司(P)、中村たかし(G)、村松泰治(Bs)、澤雅一(Ds)ですが、実は、今考えられる最高のメンバー
だと思います。

ライブの料金は、前売り 3,000円、当日 3,500円で別途ドリンク代1,000円です。
チケットのお問い合わせは、チキンジョージ 078-332-0146 まで。
ポスターはこちら

それでは、チキンジョージでお会いしましょう。

(ジャズの街~神戸 安田英俊)

神戸の老舗ライブハウス「チキンジョージ30周年記念映像展」が三宮の「ミント神戸」6階フレッツ@メディアスタジオ奥のコーナーで開かれています。

震災前の旧館時代のライブ映像から最近の盛り上がりまでをダイジェストで紹介するビデオ映像には、今やビッグネームのプレイヤーも続々登場。懐かしいポスターやプログラムも数点パネル展示。通好みのプレイヤーの名前も見え、青春を燃焼したライブフリークには特に興味深い内容となっています。19日まで。無料。

フレッツ@メディアスタジオ078・251・7502

中高生ジャズバンドを中心にした屋外ライブ「モトマチイーストジャズピクニック」が11月6,7日の両日、神戸・元町で開かれます。

ジャズの街神戸の魅力を高めようと元町東地域協議会が開催。会場は三井住友銀行前広場▽大丸神戸店横▽三宮神社▽南京町広場など。出演は県内や大阪などの高校6校と中学校5校。

世界を代表するジャズ・トランペッターの日野皓正さんらと中高生が共演するスペシャル・コンサートは7日午後4時から神戸市中央区の県公館で開かれます。入場料は3000円(前売りは2500円)。

問い合わせは元町東地域協議会事務局078-393-2622

http://www.kobe-motomachieast.net/

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9月11日、僕の誕生日に谷啓さんが亡くなった。78歳、自宅で転倒してとのこと。まだまだお元気で活躍してくださるものとばかり思っていたので残念でならない。

言わずと知れたハナ肇とクレイジーキャッツのメンバーで、超一級のトロンボーン奏者。これでクレイジーは犬塚弘さんと桜井センリさんだけになってしまった。閑話休題、その少し前に亡くなったソネの大ママに関する記事で、大ママが、そもそもは北野で旅館をやっておられ、そこの常連だったクレイジーのメンバーとも交流を深めておられたということを知り、時代と空間が織りなす不思議な縁を感じしみじみとさせられた。改めて大ママのご冥福をお祈りします。
 
さてクレイジーである。神戸で生まれ育った僕は幼少のころから現在までずっと関西の笑芸こそが大好きだった…と言いたいところだが実は違う。僕が小学生の時はまだ、関西ではダイマル・ラケット、かしまし娘、蝶々・雄二といった大御所がばりばりの現役で、もちろんその至福の芸にげらげら笑わせられながら、リアルタイムで触れられたことは幸せなことだったのだが、それはもう完成された大人の芸であって「僕たちの笑い」という感覚のものでは決してなかった。世代、時代的なことで言えば、関西においては藤田まこと、白木みのるの『てなもんや三度笠』が正に「僕たちの笑い」だったのだが、そして、その世界にいつも大笑いさせられてはいたのだが、僕が一番好きだったのは同じ日曜日の夜、それに続いてテレビ放映されていた『シャボン玉ホリデー』の方だったのだ。

ザ・ピーナッツと、ハナ肇とクレイジーキャッツがレギュラー出演者で、ゲストと共に歌やダンス、コントを繰り広げるバラエティショー、これにとにもかくにも夢中になった。今も僕の体内にある笑いのDNAは、その後のめり込んだ上方落語や、漫才、吉本新喜劇などによって育まれた面も大いにあるが、基本の所はここでのクレイジーキャッツの芸によって形作られたものという思いがある。

そもそもは「ス―ダラ節」、このなんだかよくわからないが小学2年生男子の心をも鷲掴みにした音楽性…なのだろうなあ…僕がちょいと一杯のつもりが梯子酒になってホームのベンチでごろ寝をしたりするようになるにはそれから20年くらいの時間が必要だった訳で、この歌詞に思い入れを持てるわけはけっしてないのだ。とにかく既存の音楽とはまったく違う、親や先生は眉をひそめるし、世間的にはおちゃらけたくだらない歌…という評価が大半なのだが、根底に流れる高い音楽性に裏付けされたこれの虜になった。もちろん、小2男子がそんな理屈を言っていたわけではないのだが、今振り返ってみるとまさにそこのところがクレイジーとその音楽の魅力だった訳です。

クレイジーが全員、ジャズのミュージシャンとしても超一流で、谷さんにしてももともと原信夫とシャープ&フラッツのメンバーだった…というようなことを知ったのもずっとあとになってからで、でも「ハイそれまでよ」「だまって俺について来い」「遺憾に存じます」「ドント節」と次々に発表されるシングル盤は、今から思えば全部両面A面あつかいで、その「なんだかわからないけど、とにかく凄い」感じは、彼らの1年後にデビューしたビートルズに匹敵するもの。作詞の青島幸男さん、作曲の萩原哲晶さんという天才たちもメンバーと考えれば、自作自演であることも含めて正にクレイジーは日本のビートルズだったと言っていいだろう。

しかしあくまで彼らはジャズミュージシャンであり、萩原哲晶さんの作り出すサウンドもジャズの範疇にある冗談音楽と称されるスパイク・ジョーンズにインスパイアされたもの。そういえば谷さんがクレイジーに加入する前在籍していたフランキー堺とシティ・スリッカーズはスパイク・ジョーンズを目指していたのだった。

ジャズは苦虫を噛み潰したような顔をして黙って聴くもの…という思い込みはずっとあとのモダンジャズ、ジャズ喫茶全盛の時代の悪弊と言っていいと思う。そもそものジャズメンたちは陽気で馬鹿なことを言ってぶっ飛びながら最高の音楽を作り出していたのだ。クレイジーの音楽の根底にはそんな、ジャズとジャズミュージシャンの精神がしっかり流れている。萩原哲晶さんのアレンジにいきなり鐘や太鼓が出て来たりするのも、これまたジャズののりと言っていいだろう。

そんなクレイジーの音楽に心奪われ、『おとなの漫画』や、その総集編『7時半だよクレイジー』もしっかり見ていた。「子供が見るもんじゃない」と親に叱られたりもしたが、何構うものか、面白いんだからしょうがない…と言いながら夢中で見ていた。
そして『シャボン玉ホリデー』、前後してスマイリー小原が踊りながら指揮をすることでも人気のあった『ザ・ヒットパレード』にものめり込み、ここいらへんが僕の外国のポピュラー・ミュージックの最初の邂逅となった。

ザ・ピーナッツという天才による歌と踊り、彼女たちもまた宮川泰さんという天才の訓導のもと、大人から子供まで、マニアから一般大衆までの心を惹きつけるパフォーマンスを展開していた。西洋音楽を何でもジャズといっていた時代は終わり、彼女たちの歌をジャズと言う人はもうあまりいなかったが、そこにもしっかりジャズの精神がしっかりと注入されていた。そしてクレイジーの面々を中心に繰り広げられるコント。冒頭の「牛」や、植木等さんによる「およびでない」に始まり、それらは、既存のお笑い芸…例えばNHKで放送されていた『お笑い三人組』の世界とはまったく違っていた。(僕はその世界を否定するわけでは決してない。ただクレイジーは新しかった。彼らの弟分とも言うべきドリフターズは特に楽器を持たないようになってから先祖がえりともいうべき芸風で笑芸に取り組んだ。ことに志村けんさんの世界などはその極致だ)

それがどこから来たものかと言えば、ジャズからだと思わずにいられない。そもそも、米軍キャンプを廻ってギャグの入ったジャズ演奏を繰り広げていたクレイジー、頭を思い切り洗面器で叩くギャグなどに、それまでの日本にはなかった笑芸の肝が溢れている。それを見た米兵たちが「クレイジー!」と言ったから、バンドの名前をキューバン・キャッツからクレイジーキャッツに変えた…というのもむべなるかな。

いつもいつもではないが、『シャボン玉ホリデー』でもクレイジーはジャズを演奏したし、そこから始まるジャズメンのグルーヴを内包した笑いの世界は小学生にとっても気絶するくらいおかしかった。

少し前のことだが、ザ・ピーナッツのDVDがリリースされ、そのリヴューを書く機会があった。原稿を書きあげてからも繰り返しそのDVDを見た。一本は『シャボン玉ホリデー』をはじめとする彼女たちが出演したテレビ番組からの名場面集。得てして人間はかつて見聞きして感動したものに過剰な思い入れを持つものなのだが、改めて見る『シャボン玉ホリデー』はやっぱり素晴らしかった。

ザ・ピーナッツをはじめとする出演者たちの歌と踊りの素晴らしさもだが、合間に挟まれるギャグのセンスは現在にも通用する…どころか、今、バラエティと称するだらだら喋りを垂れ流している輩はこれを見て出演者たちの爪の垢でも煎じて飲んでもらいたい。そこにはしっかりとジャズの精神が流れていた。もう一本は彼女たちが引退する直前に作られた記念番組だ。二人の歌の合間合間にゲストが登場する。師匠である宮川泰さんのピアノ演奏、彼が指揮するジャズバンドの演奏に乗って歌い踊るザ・ピーンナッツの魅力的なこと。

ハイライトシーンは、トロンボーンを持って現れた谷さんと彼女たちの共演だ。トロンボーン奏者・谷啓の真骨頂。でも、気取らず、気負わず、ジャズ・マインドあふれる暖かい演奏。実は谷さんが亡くなってからはまだ見れていない。見たら大泣きしてしまいそうだから。谷さんが亡くなったとき、このDVDのこの場面を流したテレビは皆無だったな。もう現場の人達の多くが『シャボン玉ホリデー』を知らない世代になっているから仕方ないと言えば仕方ないのだが…。なんか悲しい。

クレイジーはメンバーのうち5人が亡くなってしまった。ザ・ピーナッツは解散以来、一切公の場には現れていない。この潔さも素晴らしい。

日本の音楽の世界も大きく幅が広がり、多くの才能が素晴らしい音楽を作り続けている。笑芸の世界に於いてもそれは同様だ。それらに興味がある若い方は、CDやDVDで今も身近に触れることができるハナ肇とクレイジーキャッツ、ザ・ピーナッツの世界にぜひぜひ触れていただきたい。若い方だけでなく、かつて彼らの音楽やコントに触れてこられた方も改めてその至宝の芸に対峙してほしい。その素晴らしさを再認識していただくとともに、そのバックグラウンドにずっとジャズがあったことにも思いを巡らせていただいきたいと思う。

愛すべき最高のジャズメンにしてコメディアンだった谷啓さんのご冥福を改めてお祈りいたします。