北野で毎夜ライブが繰り広げられているジャズライブハウス「BASIN STREET」の2つのビッグな企画をご紹介いたします。

鈴木道子さん

鈴木道子さん

 3月21日(水)は、東京からヴォーカリストの鈴木道子さんが来て、関西で活躍のNO1ギタリスト竹田一彦さんとのデュオです。

 鈴木道子さんは、アメリカで修行して現在は東京をべーすにして活躍しています。

 ブルージーという表現がぴったりなんですが、黒生ビールのCMでも唄声が流れていましたのでお聴きになったかたも多いかと。

 まあ、以下をクリックして聴いてみてください。
ジャズヴォーカル 鈴木道子のWebサイトhttp://www5d.biglobe.ne.jp/~michiko-/index.html
 いかがですか、ご機嫌ですよね。

 21日(水)は、20:00からのライブで、チャージは2,000円です。

 もう一つは、ニューヨークからのギタリスト JOSHUA BREAKSTONE です。

 1979年には、ベースのセシルマクビーなどとレコーディングしていて、その後はピアノのバリーハリスなんかと共演していますので、超一流ですね。
JOSHUA BREAKSTONEhttp://www.joshuabreakstone.com/
 サイドメンは、ベースが光岡尚紀さん、ドラムが北村吉彦さんと若手のホープとベテランとの楽しみな組み合わせです。

 24日(土)で、こちらは19:30からのライブ。チャージは2,500円です。

 BASIN STREETのオーナーは、ギタリストの川崎達彦さん。さすがに、良いギタリストをブッキングしてくれます。
(ジャズの街~神戸 安田英俊)

■ライブ
 2012年3月21日(水)20:00から(チャージは2,000円)
 2012年3月24日(土)19:30から(チャージは2,500円)
 於:ジャズライブハウス「BASIN STREET」

nakamurayou-207x3001

 高田渡さんが亡くなってこの4月で丸7年になる。映画『タカダ・ワタル的』が作られたことによって新たなフアンも増え、積極的なライヴ活動をスタートした最中、ツアー先で倒れて入院、そのまま帰らぬ人となったというのが返す返すも残念だ。世間に喧伝されているように彼は決して酒の飲みすぎで亡くなったのではない。

 日本のフォーク界における超大物という印象だが、亡くなった年齢は今の僕より若かった。

 僕が初めて渡さんの歌を聴いたのは中学3年生の時で、その時の渡さんは20歳になるかならぬかという年恰好なのだが、既に大物の風格があった。まだまだアメリカン・フォークのスタイルだけまねをして愛だの恋だの、星だの海だの歌うことが一般的だった日本のフォークソングシーンにおいて東西の詩人の詩や演歌師・添田唖禅坊の書生節をアメリカ民謡をドッキングさせるなどして辛辣な社会風刺や、大人の男の心情を歌う彼の歌もそんな風格と相俟って、単なるフォークソングというよりもたとえばフランスのジョルジュ・ブラッサンスにも通じるジャンルを超えた凄味があった。ここではレコードを出したばかりだった細野晴臣、大滝詠一らによるロック・バンド・はっぴいえんどの演奏や、バンドネオンの音が彼の歌にさらに深い陰影を付け、壮大なスケールを感じさせるものだ。

 73年に出た彼のアルバム『石』では、園田憲一とデキシ―・キングスが参加、昭和初期に流行した「私の青空」やデキシーランド・ジャズ風の自作曲(詞は近代詩人のもの)のバッキングを担当しているのだが、これがいい。戦前の榎本健一や岸井明、二村定一らの歌に匹敵するジャズソングになっている。

 その年、このころは毎年、天王寺・野外音楽堂で開催されていた野外コンサート「春一番」(奇しくも同じ年には山下洋輔トリオも出演し会場にいた僕はこの壮絶で魅力的なジャズの生に初めて触れてもいる)にレコードと同じく園田憲一とデキシ―キングを引き連れて出演、レコードよりさらに美しいグルーヴの歌と演奏を聴かせた。この模様はキングからでたコンサートのライヴ盤にも収められた。

 だが、予算の関係上、コンサートでこういうことができる機会はあとほとんどなく、なんとか音的にもレコードに近いものをライヴでもやりたいと彼はその後、高田渡とヒルトップ・ストリングス・バンドを結成。佐久間順平、大庭珍太、小林清という名うてのメンバーのバンジョーやギター、ウッドベースを得て、ステージでも楽しそうにデキシ―ランド・ジャズ風の音楽をやっていた。高田渡とヒルトップ・ストリングス・バンド名義では『バーボン・ストリート・ブルース』という名盤を一枚残している。

 ここに書いた彼のアルバムはすべてCD化され、現在でも簡単に手に入る。日本のフォーク・ソングなどほとんど聴いたことがないというジャズ・フアンはぜひ一度、これらの音盤に耳を傾けていただき、ジャンルを超えた彼の美しい音楽に触れてほしい。

 ヴァイオリンの寺井尚子さんが、今年も神戸でコンサートを開きます。
 毎年、神戸のジャズファンを楽しませてくれています。

 ジャズの世界では、ヴァイオリンの演奏者は極めて少なく、それはなぜなんだろう。
 ヴァイオリンはジャズになじまないのか、ヴァイオリンではジャズのリズムに入り込めないのか、などと考えながら寺井尚子さんのコンサートに足を運びました。3年前のことです。

 幕が開いて、ピアノトリオをバックにダイナミックでエネルギッシュな演奏が始まると、浅はかな懸念が飛んでしまったことを覚えています。
 確か、ジャズのスタンダードに映画音楽そしてラテン調の曲と幅の広いジャンルのものを取り上げながらもジャズそのものの乗りで、満足感を与えてくれました。

 寺井尚子さんの演奏は、エネルギッシュというのにふさわしいのですが、そのエネルギーはどこから出てくるんでしょうね。
 演奏もさることながら、様々なジャンルの曲に挑戦し、毎年アルバムをリリースし、全国各地を飛び回り、毎年神戸でコンサートを開いてくれます。昨年12月にも「リベルタンゴ イン トーキョー」というアルバムを出しました。
 我々が寺井尚子さんの演奏に触れてエネルギーをもらっているのと同時に、我々ファンがコンサートでエネルギーをあたえているのかもしれませんね。

 2012年7月7日(土)は18:00から、2012年7月8日(日)は13:00からのコンサートです。
 場所は、新神戸オリエンタル劇場、S席 5,000円、A席 3,500円で、寺井尚子さんの公式サイトは、http://www.t-naoko.com/です。

寺井尚子コンサート2012(7月7日、8日)

寺井尚子コンサート2012(7月7日、8日)

(ジャズの街~神戸 安田英俊)