神戸新聞
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播磨の逸品

2003年7月18日掲載

生菓子 田口乳業 龍野市揖保町

熱処理避け風味豊か/クリーンルームで実現

連日の味見がヒット商品を生む。おいしさと安全への妥協はない=龍野市揖保町、田口乳業

連日の味見がヒット商品を生む。おいしさと安全への妥協はない=龍野市揖保町、田口乳業

 専門店級の生洋菓子を手ごろな価格で気軽に買うことができたら…。

 そんな消費者の願いを実現させた。西播を基盤とするアイスクリームの製造販売会社から生洋菓子部門に進出、その“代表選手”が量販店やコンビニなどで展開する生シュークリームだ。

 「保存料は一切使わない。クリームのおいしさは専門店にも負けない」

 胸を張る田口晴喜社長(49)が、率先して新商品開発に取り組んだのは一九九六年。初めはシューアイスを作る予定だったが、四季を通じて安定した需要を持つメリットから開発の矛先はシュークリームに向き始める。

 生菓子製造は未知の領域。半年をかけ、スーパーなどで販売されているシュークリームを食べ歩いて確信を得た。

 「おいしくて専門店より日持ちがするクリームをつくれば、売れる」

 コンビニなどに並ぶ商品は通常、配送拠点に集約され各店に送られる。出来上がりを店に並べる専門店と違い、生菓子などはその間接的な流通経路の中で鮮度が失われがち。シュークリームなどは寿命を伸ばすため、熱による殺菌処理などを行う例が多いという。しかし、熱処理をすると風味が落ち、味も変わる。

 「商品寿命を伸ばすため、工場を無菌状態にしてしまおう」。工場内に細菌など〇・五ミリミクロン以上の物質を取り除く特殊フィルターを使ったクリーンルームを完備。熱処理せず、保存料なしで「賞味期限三日」の風味豊かな商品を完成させた。

 この商品を独自の配送網で直送する流通システムも確立。取引先も増え、大手コンビニへの納入も決まった。現在はケーキやプリンなど約二十種を展開、売上高の約半分を占めるまでに成長した。「おいしくて安全なお菓子を作り続けたい」がモットーだ。
(桜井和雄)
メモ
 1949年創業。「コロンブスのアイスたまご」などユニークな商品名も人気。相生市に生菓子部門専用の工場を建設中。「和」をテーマに新商品の開発に取り組む。2002年3月期の売上高63億円。従業員200人。

※この記事は過去に神戸新聞に掲載されたものです。
内容については変更になっている場合がありますので、おでかけの際はあらかじめご確認ください。

[22] 生菓子 田口乳業 龍野市揖保町(2003-07-18)