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ひょうご温泉めぐり

2007年5月1日掲載

「源泉かけ流し」が魅力 湊山温泉

神戸市兵庫区湊山町

阪神間からも常連客が訪れる=神戸市兵庫区湊山町(撮影・青木信吾)

阪神間からも常連客が訪れる=神戸市兵庫区湊山町(撮影・青木信吾)

 その昔、平清盛の別邸雪御所(ゆきのごしょ)が近くにあったという。今は住宅が密集し、下町の趣が漂う神戸市兵庫区湊山町。細い路地を抜けると、天王谷川沿いに湊山温泉がある。

 外観は飾りっ気がない。自慢は「源泉かけ流し」。塩素を加えず、循環も、ろ過もせず、源泉からわき出る湯を湯船に流している。

 川向かいにあった天王温泉と共に「平野の温泉」と、親しまれてきた。営業は明治時代からだが、ルーツは平安時代にさかのぼるらしい。平家の興亡を記した「山槐(さんかい)記」に、清盛が隠居後に湯治したとある。

 湯船は長さ十メートル、幅一・七メートルと細長い。湯煙の中、常連客がおしゃべりに花を咲かせる。白く濁った湯は、神経痛や冷え性に効能があるという。

 半世紀余り、毎日通っているという人に出会った。須磨区の福井和男さん(69)。「ここは泉質が良く、体によく合う。ほかの風呂ではスカッとしない」。確かに深い湯船に全身つかれば、天然の湯は肌に吸い付くようで体がしんから温まる。

 「平野の温泉」に衝撃が走ったのは二〇〇四年。神戸市はそれまで上下水道料金を減免する一般公衆浴場と扱ってきたが、「天然温泉であることを見落としていた」として減免を見直した。水道料金などが三―四倍に跳ね上がったのを機に、天王温泉は廃業した。

 残った湊山温泉だが、最近は燃料費の高騰が経営を圧迫。それでも、コストのかかる源泉かけ流しにこだわる。「何も加えない、うちの温泉を気に入ってくれている人を裏切れない」と社長の松富康夫さん(49)。湯で勝負する姿勢を貫く。(社会部 土井秀人)
メモ
湯船は、低温(40℃)中温(43℃)高温(46℃)の3種類。飲泉場もある。源泉は無色透明で炭酸ガスが細かく泡立つ。午前6時半―午後10時半(浴券の販売は10時まで)。中学生以上500円、小学生200円、乳幼児100円(5月17日から中学生以上550円、小学生220円、乳幼児110円に値上げ)。駐車場は12台。湊山温泉TEL078・521・5839

※この記事は過去に神戸新聞に掲載されたものです。
内容については変更になっている場合がありますので、おでかけの際はあらかじめご確認ください。