2008年1月21日掲載
文化財群、茶どころ彩る 大国寺
篠山市味間奥
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国重要文化財の本堂。ふもとには「茶供養塔」の碑も見える=篠山市味間奥 |
緑のじゅうたんの先に厳かな本堂がかいま見える。県内一の茶どころ、篠山市味間地区に大国寺は立っている。静かに、健やかな生活を見守るように…。
大国寺は六四〇年代に開かれ、現在の本堂は一三一〇年代に建立されたと伝えられている。建築様式は、渡来の「唐様」と和様を折衷した当時としては最新の技法。堂内には五体の像が鎮座し、本堂と像はすべて国の重要文化財に指定されている。同市内にある文化財の三分の一を占め、酒井裕圓住職(43)は「街から離れていますが、ここに裕福な人がいた証しでしょう」と、少し誇らしげに話す。
像の中でも最も古いのは本尊にあたる薬師如来坐像(ざぞう)で、十―十一世紀の作。体が大日如来、印を結んだ手が阿弥陀如来(あみだにょらい)で、手の上に薬箱が載っている。これは天台宗における一つの像から三つの仏を見る「一仏三体」の思考を如実に反映している。全国的にこれほど分かりやすい形で示されているものは少なく、各地から参拝者が訪れるゆえんにもなっている。
本尊はさらに、地域的伝承も色濃く表している。「味間」の名は古事記などに登場する神が由来とされ、その父の名が「大国主(おおくにのみこと)」。「因幡(いなば)の白ウサギ」の伝説で知られ、医療の神ともいわれる名が、寺には宿る。
「この辺りには元気なお年寄りが多いんですよ」と酒井住職。ただ、その理由は「仏のご加護」だけではないという。地域の特産は「丹波茶」。抗菌作用など茶に含まれる効能は知られているが、「飲む機会が多いから健康のようです。うちにお参りに来た人にもお茶を勧めています」と住職は笑った。
本堂で薬師如来像を眺めた後、熱い丹波茶をすする。ことし一年、健康でありますように―。ふと頭をよぎる像のほほ笑みは、ささやかな願いをかなえてくれそうな気がした。
(小林隆宏)
大国寺は六四〇年代に開かれ、現在の本堂は一三一〇年代に建立されたと伝えられている。建築様式は、渡来の「唐様」と和様を折衷した当時としては最新の技法。堂内には五体の像が鎮座し、本堂と像はすべて国の重要文化財に指定されている。同市内にある文化財の三分の一を占め、酒井裕圓住職(43)は「街から離れていますが、ここに裕福な人がいた証しでしょう」と、少し誇らしげに話す。
像の中でも最も古いのは本尊にあたる薬師如来坐像(ざぞう)で、十―十一世紀の作。体が大日如来、印を結んだ手が阿弥陀如来(あみだにょらい)で、手の上に薬箱が載っている。これは天台宗における一つの像から三つの仏を見る「一仏三体」の思考を如実に反映している。全国的にこれほど分かりやすい形で示されているものは少なく、各地から参拝者が訪れるゆえんにもなっている。
本尊はさらに、地域的伝承も色濃く表している。「味間」の名は古事記などに登場する神が由来とされ、その父の名が「大国主(おおくにのみこと)」。「因幡(いなば)の白ウサギ」の伝説で知られ、医療の神ともいわれる名が、寺には宿る。
「この辺りには元気なお年寄りが多いんですよ」と酒井住職。ただ、その理由は「仏のご加護」だけではないという。地域の特産は「丹波茶」。抗菌作用など茶に含まれる効能は知られているが、「飲む機会が多いから健康のようです。うちにお参りに来た人にもお茶を勧めています」と住職は笑った。
本堂で薬師如来像を眺めた後、熱い丹波茶をすする。ことし一年、健康でありますように―。ふと頭をよぎる像のほほ笑みは、ささやかな願いをかなえてくれそうな気がした。
(小林隆宏)

★仏像拝観料は一般300円、小中学生150円
★大国寺TEL079・594・0212
【アクセス】 舞鶴若狭自動車道丹南篠山口インターチェンジ、JR篠山口駅から、それぞれ車で5分
※この記事は過去に神戸新聞に掲載されたものです。
内容については変更になっている場合がありますので、おでかけの際はあらかじめご確認ください。
文化財群、茶どころ彩る 大国寺(2008-01-21)











