神戸新聞
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社寺巡礼

2009年3月23日掲載

異人館改装、集いの場に 東極楽寺

神戸市中央区生田町

異人館を改修したという本堂。ギターを手にする小林住職の前に、戦後すぐに作られた長いすが並ぶ=神戸市中央区生田町2

異人館を改修したという本堂。ギターを手にする小林住職の前に、戦後すぐに作られた長いすが並ぶ=神戸市中央区生田町2

 周囲には、商業ビルやワンルームマンションが林立するが、境内に足を踏み入れると、近くのバス道を行き交う車の騒音は届かない。「まるで別世界でしょう」と、二十五代目住職の小林孝之さん(57)が出迎えた。

 神戸・北野に近い東極楽寺は一六六一年、走水村(現・神戸市中央区元町通五)に極楽寺として開山。一九一八(大正七)年に現在地に移転し名も改めた。その後、本堂は空襲で全焼し、北野から移築した異人館を改装し建て替えた。以後も増築、改修を繰り返したが、窓枠やドアのデザインに洋式建築の趣を残す。

 その本堂で、釈迦(しゃか)の誕生を祝う灌仏会(かんぶつえ)が営まれる四月八日前後の日曜日、「お花まつり音楽会」が開かれる。東京を拠点に活動するシンガー・ソングライター佐藤GWAN博さん、ギタリストの佐久間順平さんらが招かれ、柔らかなギターやアコーディオンの音が披露される。

 以前、灌仏会にあわせた「お花まつり」では、金魚すくいなどを催していたが、ドーナツ化現象で参加する子どもが年々減少。阪神・淡路大震災後、行事は途絶えていた。

 お花まつり音楽会として再開したのは、小林さんが住職に就任して間もない二〇〇五年だった。

 小林住職は美術大を卒業後、測量士を経て、二十九歳で出家したという異色の経歴。寺は法事や葬式を営むだけではなく、檀家(だんか)さん以外の人も集える場にしたい―というのがモットーだ。

 寺は震災直後、ボランティア団体の派遣基地になったこともある。倒壊を免れた本堂を開放し、数カ月間、約二十―三十人が寝泊まりしたという。

 今年で五回目となる音楽会。約百人が集まるが、檀家の人は約四分の一。「正直、赤字続き。でも、難しい説教抜きにして、楽しい時間を過ごす。本来、お寺ってそういうもの」。小林住職は笑顔を見せる。(大月美佳)
メモ
 ★第5回お花まつり音楽会は4月12日午後1時から。入場無料。

 ★浄土宗東極楽寺TEL078・221・0319

【アクセス】 地下鉄西神・山手線新神戸駅から南に約300メートル。

※この記事は過去に神戸新聞に掲載されたものです。
内容については変更になっている場合がありますので、おでかけの際はあらかじめご確認ください。

異人館改装、集いの場に 東極楽寺(2009-03-23)