2009年11月19日掲載
厳かに境内包む静寂 上鴨川住吉神社
加東市上鴨川
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室町中期の特徴を残す住吉神社本殿=加東市上鴨川 |
丹波と播磨との国境近く。赤や黄に色づいた木々が、晩秋の山に鮮やかな彩りを添えている。どこか懐かしい里山の景色に溶け込むように、上鴨川住吉神社の鎮守の森がある。
神社は、集落から1キロほど離れた小山の上にひっそりとたたずむ。34段の石段の先に、こぢんまりとした境内。檜皮(ひわだ)ぶきの本殿や拝殿、舞堂などのほか、九つの小さなほこらが建つ。神社の造営は鎌倉時代末の1316(正和5)年とされる。現存する本殿は、室町中期の建物とみられ、国重文となっている。
人影はなかった。神域にイチョウの巨木からはらはらと黄色の葉が落ち、静寂が辺りを包む。一瞬、時が止まり、どこか異界へと迷い込んだような錯覚を覚えた。古来、こんなふうに人々は、ここで厳かな森の「気」や「神」を感じ、あがめたのだろうか。
静かな境内が、1年で最もにぎわうのが毎年10月4、5日の秋祭りの日。五穀豊や無病息災を願う「神事舞」(国指定重要無形民俗文化財)が奉納される。
700年も前から、住民らが「宮座」と呼ばれる組織によって伝えてきた貴重な神事芸能で、「能楽」が完成する前の古い田楽や猿楽の形態をとどめる舞も含んでいる。
「集落のまとまりがよいのも、この神事舞のおかげ。住民の誇り」と地元の大畑一千代さん(53)。「神事舞を中心に村の1年が回っている」といい、正月からさまざまの準備が続くという。
祭りの夜、天を焦がすような巨大なかがり火のもと、厳かな舞が次々と披露される。太刀の舞、翁舞、扇の舞…。中世へタイムスリップした気分が味わえるかもしれない。「来年はぜひ見に来よう」。幻想的な夜の情景を想像しつつ、石段を下りた。(堀井正純)
神社は、集落から1キロほど離れた小山の上にひっそりとたたずむ。34段の石段の先に、こぢんまりとした境内。檜皮(ひわだ)ぶきの本殿や拝殿、舞堂などのほか、九つの小さなほこらが建つ。神社の造営は鎌倉時代末の1316(正和5)年とされる。現存する本殿は、室町中期の建物とみられ、国重文となっている。
人影はなかった。神域にイチョウの巨木からはらはらと黄色の葉が落ち、静寂が辺りを包む。一瞬、時が止まり、どこか異界へと迷い込んだような錯覚を覚えた。古来、こんなふうに人々は、ここで厳かな森の「気」や「神」を感じ、あがめたのだろうか。
静かな境内が、1年で最もにぎわうのが毎年10月4、5日の秋祭りの日。五穀豊や無病息災を願う「神事舞」(国指定重要無形民俗文化財)が奉納される。
700年も前から、住民らが「宮座」と呼ばれる組織によって伝えてきた貴重な神事芸能で、「能楽」が完成する前の古い田楽や猿楽の形態をとどめる舞も含んでいる。
「集落のまとまりがよいのも、この神事舞のおかげ。住民の誇り」と地元の大畑一千代さん(53)。「神事舞を中心に村の1年が回っている」といい、正月からさまざまの準備が続くという。
祭りの夜、天を焦がすような巨大なかがり火のもと、厳かな舞が次々と披露される。太刀の舞、翁舞、扇の舞…。中世へタイムスリップした気分が味わえるかもしれない。「来年はぜひ見に来よう」。幻想的な夜の情景を想像しつつ、石段を下りた。(堀井正純)

<アクセス>中国自動車道滝野・社インターから車で約20分。神姫バス社出張所から、清水行き住吉神社下車。
※この記事は過去に神戸新聞に掲載されたものです。
内容については変更になっている場合がありますので、おでかけの際はあらかじめご確認ください。
厳かに境内包む静寂 上鴨川住吉神社 (2009-11-19)













