神戸新聞
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社寺巡礼109

2009年12月17日掲載

そびえ立つ大鳥居 自凝島(おのころじま)神社

南あわじ市榎列下幡多

国生み神話の地として顕彰するため建立された巨大な鳥居=南あわじ市榎列下幡多

国生み神話の地として顕彰するため建立された巨大な鳥居=南あわじ市榎列下幡多

 朱色の鳥居は高さ21・7メートル、横幅31・2メートル。柱の直径は3メートル。生い茂る木々を背景にそびえ立つ、広大な三原平野のランドマーク(目印)だ。

 多くの神々や島を生み出した夫婦の神、伊弉諾命(いざなぎのみこと)と伊弉冉命(いざなみのみこと)を祭ることから「縁結びの神様」として知られる。2006年、「結婚前にここを訪れた」と芸能人がインターネットで紹介して以来、良縁を願う女性たちでにぎわう。

 古事記や日本書紀で伝えられる「国生み神話」の舞台は、沼島(南あわじ市)や絵島(淡路市)、あるいは淡路島全体-などいくつもの伝承があるが、ここの小高い丘もその一つ。「日本発祥の地」として顕彰するため1982年に大鳥居が建立された。

 神話によると、国づくりを命じられた2神が天の浮橋に立って沼(ぬ)矛(ぼこ)で海原をかき回し、矛から滴る潮が自(おの)ずと凝り固まって島となったのが「自凝島(おのころじま)」。島に降り立った2神は大八洲(おおやしま)の国々(日本列島)を生み出した-とされる。

 鳥居のすぐそばには幸せを運ぶとされる、3本の葉が珍しい「三鈷(さんこ)の松」が伸びる。小鳥のさえずりを聞きながら石段を上りきると、右手に「セキレイ石」が鎮座する。この石に止まったつがいのセキレイが2神に「交(とつぎ)(夫婦)の道」を示したとされることからその名がついた。 

 丘の辺りは太古、海に浮かぶ小島だったというが、神社の傍らにある「安産のお砂所」の砂が塩を含むのは天の沼矛から潮がしたたり落ちたためとして、古くから「安産の塩砂」として信仰を集めている。
 棚田康暉宮司(69)は「日本発祥の地とされる厳かさを感じてほしい」と話す。日本を生んだ壮大な神話の舞台は、今も地域に受け継がれている。(今福寛子)
メモ
★毎年、春大祭は4月29日、夏祭は7月8日。神社近くには伊弉諾と伊弉冉が立ったと伝えられる「天の浮橋」の石碑もある。同神社TEL0799・42・5320

<アクセス>
神戸淡路鳴門自動車道・西淡三原インターから車で約10分。

※この記事は過去に神戸新聞に掲載されたものです。
内容については変更になっている場合がありますので、おでかけの際はあらかじめご確認ください。

そびえ立つ大鳥居 自凝島(おのころじま)神社(2009-12-17)