神戸新聞
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兵庫おでかけ情報 食べ歩き 郷土の味

2007年10月25日掲載

山あいにキラリ輝く夢 姫路・夢前の夢そば

一釉(姫路市田寺東)

ソバの生育状況を確かめる辻川さん。わが子を見るような目だ=姫路市夢前町宮置

ソバの生育状況を確かめる辻川さん。わが子を見るような目だ=姫路市夢前町宮置

軟らかく繊細なそばは、ゆでたてならでは。「出されたら、すぐ食べる」が鉄則=姫路市田寺東2

軟らかく繊細なそばは、ゆでたてならでは。「出されたら、すぐ食べる」が鉄則=姫路市田寺東2

 姫路市北部。山あいを流れる夢前川沿いに、純白の花を咲かせたソバ畑が広がる。手に取ると、三角形に膨らんだ実がのぞく。「今年も大きく実っている」。辻川涼(すずし)さん(58)が満足そうにほほ笑む。やがてソバの実はこげ茶色に熟し、上品な更科そばに生まれ変わる。

 白く軟らかな麺(めん)は、もっちり、つるんとした食感。かき揚げにもそば麺が入り、しゃりしゃりと砕けて香ばしい。辛味大根おろしの後から来る刺激に、はしが進む。

 世界遺産・国宝姫路城の北西、閑静な住宅街に辻川さんの営むそば屋「一釉(いちゆう)」はある。

 もとは製麺会社で営業と企画開発に携わっていた。全国を駆け巡り、新しい味を追求する日々。疲労が重なり、三度目の入院を機に退社した。

 一九九九年、知識と経験を基に店を開いたが、当初はうどん屋だった。くしくも同年、同市夢前町では、農家の衣笠愛之さん(46)が無農薬栽培での新たな特産品づくりを目指し、初のソバを実らせた。その「夢そば」が辻川さんを動かした。

 「地元で根を張って生きていきたい。結局は、衣笠さんの気概にほれ込んだんやね」

 一緒に店を営む、すし職人の長男が握る米も、薬味の大根なども夢前産。地元産にこだわり、有志が参加する「夢そば推進協議会」では新商品の開発にも取り組む。

 店名の「釉」は光や色の意味。「姫路に、そば界に、キラリと一つの輝きを発信したい」。辻川さんは広がるソバ畑をいとおしそうに見つめた。(神谷千晶)

▼歴史ある地域城跡、温泉も 

 夢前の名は、「播磨国風土記」に登場する「射目前(いめさき)」「夢前丘」が語源とされる。新ソバの収穫は十一月。衣笠さんが経営する「夢前夢工房」(姫路市夢前町宮置)から夢前川沿いに北へ徒歩約五分で赤松氏の山城・置塩城跡。さらに流れをさかのぼると、歴史ある塩田温泉、秘湯・雪彦温泉、日本三彦山の一つである雪彦山がある。
メモ
一釉  姫路市田寺東2の32の20、コーポかおり1の101。大根(だいこ)かきあげ天ぷら皿そば1150円。冬は鴨かまあげそば900円もお勧め。巻きずし「一釉巻き」は650円。11時半―14時、17時半―20時半。月曜定休(祝日の場合は翌日)。TEL079・297・1160

※この記事は過去に神戸新聞に掲載されたものです。
内容については変更になっている場合がありますので、おでかけの際はあらかじめご確認ください。

山あいにキラリ輝く夢 姫路・夢前の夢そば(2007-10-25)