神戸新聞
過去の連載・特集記事一覧へ ニュースサイトへ 読者クラブサイトへ

動画(youtube)

「余部鉄橋」架け替え順調

香美町・香住

 JR山陰線の余部鉄橋(兵庫県香美町香住区)の架け替えで、来年秋に開通を予定するコンクリート橋の全体像が姿を現してきた。工事は順調に進んでおり、8割が完了。近くの高台から眺めると、現在の鉄橋の南側に並んで立つコンクリート橋に、既に列車が走っているようにも見える。

(2009/12/18公開)



 新しいコンクリート橋は、余部鉄橋とほぼ同じで長さ約310メートル、高さ約40メートル。一昨年春、JR西日本が架け替え工事に着手した。まず橋脚を建て、その両側に橋げたをのばす工法を採用。橋げたの張り出し作業は完了し、接合部を閉じる作業が続いている。今は風速が毎秒20メートルを超えると、列車の運行を止めているが、新しい橋には防風壁が設けられ、毎秒30メートルでも運行できる設計。強風による運休は9割以上減る見込みという。

 橋げたの工事は来年春まで続き、その後、線路敷設などの工事に入る。JR西日本などによると、開通時期は「来年秋の早い時期」。その前の数週間は列車の運行を止めての工事になる。鉄橋の一部を解体するとともに、コンクリート橋の東側約4分の1の橋げたをずらして、これまでの軌道につなぐためだ。また、余部鉄橋は11本の橋脚のうち、3本が橋げたとともに残される。

 1912(明治45)年に完成した余部鉄橋の工事は人力が頼りだった。米国製の鋼材を大勢の作業員が船から陸揚げする写真も残っている。約2年間の工事で延べ25万人が働いたという。

 一方、今回の工事では大型のクレーン4基が活躍。資材を地上から軽々と引き上げていく。コンクリートは太いパイプを通して流す。作業員は多い時でも100人弱。ある作業員は「歴史に残るような工事にかかわれてうれしい。気合を入れて頑張っている」と寒風下の作業も意に介さない。

 余部鉄橋は土木学会がまとめた「日本の近代土木遺産」に最も高い評価で選ばれた。関係者は「その鉄橋に負けない橋を造ろう」との思いを強める。JR西日本福知山工事所の金子雅所長が言う。「全員が誇りを持って取り組んでいる。将来的にもみなさんに喜んでもらえる橋を造る」。建設現場には「目指せ! 100年後の『土木遺産』」と書いた幕がしっかりと付けられている。

掲載記事
余部鉄橋白く強く 架け替え順調

動画一覧に戻る