タクシードライバー
2008.01.04
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印象的な映画ポスターのひとつです。ロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)演じる主人公トラヴィスが着ているのは、タンカースジャケット。タンカーとは戦車乗りのことで、彼らの冬用戦闘服として開発されたもの。正式にはウィンターコンバットジャケットというそうです。
映画のなかで、トラヴィスはベトナム帰りの元海兵隊員でタクシードライバーという設定。アメリカがベトナムで敗退した翌年、退廃ムード漂う1976年に公開されました。衣装はそんな時代を象徴したものです。ニューヨークの夜をタクシーで流すトラヴィスは、その孤独と絶望から常軌を逸し、次期大統領候補の襲撃を思い立ちますが失敗。結局、売春宿を襲うことになります。鬱屈したタクシードライバーの暮らしが描かれる前半から、後半は一転しての異常なはじけ方。そこにはある種不条理な感じがあります。反体制的なアメリカン・ニューシネマ(New Hollywood)のスタイルも色濃くにじんでいます。
この76年、実際にアメリカは大統領選でジェームズ・カーター(James Earl Carter, Jr.)が持ち前の明るさを強調して当選しました。今年もまた大統領選挙の年ですね。話題の候補者も多く、すでに選挙戦はヒートアップしつつあるようです。
(写真・文/大西昭彦)